お待たせいたしました。宣言してから凄い時間かけて書きました、第一弾『心に訴えたい日本語ラップレビュー』
何回も聴き、歌詞カードを見、本当に自分がよいと思える作品を中身全部開けて、声を超大きくして届けたいレビュー。そんなのを目指してます。
皆が見て、少しでも興味持ってくれたらこれ幸い。
第一弾。長すぎてワード文書で7枚にもなりました……
では、ご堪能アレ!!!
第一弾はコレ!
ジャンガル/韻踏合組合
1 ジャンガル
2 Walkin' Big
3 お熱いのがお好き
4 オレらと夜中
5 After 5
6 O.N.Y.K
7 What's Tha Numba?
8 笑う骨
9 Bahhhhn!
10 ヘッドギア
11 Green車
12 生理的に大好き
13 Evis Sound
総評
★★★★★★★★☆☆
グループを組んで音楽なりで活動する場合、少なくともグループを為す要因が、ある個性だったり、味であったり、何か特化したものがあれば聴き手に魅力として届けられると思う。ソロではないのだから一体感というものも大事なキーワードである。
韻踏合組合の場合、他のグループとは差別化できる点が一つある。それは3~4つの集合体の族であり、各々の集合体【NOTABLE MC】、【HEAD BANGERZ】、【MINT】、【VHIEF ROKKA】が完璧なまでにエンターテイナーである。さらにMCの柔軟性が秀でている。
もう一つ差別化するならば、ラッパーが放つパンチラインの強烈さ。パンチラインというのは、その一行ですべてを語らなければ意味がない。後付不要、一発で相手をリングに沈められるかどうか。ここにかかっている。日本語のオモシロさ、OHYA特有の鍵括弧・口語体、AKIRAに見るダブルミーニング、HIDAは似た単語の羅列で歌詞を形作るかと思いきや、その羅列された単語を見ると、想像力・ユーモアが半端じゃない事に気付く、これがHIDAさである。
韻を踏みまくるというテーマはあるのだろうが、いかにダジャレじゃなくするか・ダジャレとして聞かせないかがこのグループの課題だと勝手に思っていたが、聞き手の危惧感も晴れる歌詞が素晴らしい。
もともと、大阪という地で発祥したグループなので(という因果関係はおかしいか?!)話にオチをつけたり、ラップのスタイルがアブノーマルだったり、という点が少なからずあるとは思う。
そんな各々が一同に介し、まさに韻踏黄金期と呼ばれる時期に放たれた傑作アルバム『ジャンガル』。この韻踏黄金期、なんと総勢11名。
現在はとある問題により、【NOTABLE MC】と【MINT】が抜けている状況だが、はっきり言って日本のHIPHOPグループの中ではエンターテイメント性・カリスマ性・即興性・音楽性が郡を抜いていると感じる。
また、個々での活動が確立できているため、グループで集まっても一体感・グルーブ感は衰えない。
ジャンガルは読んで字の如し。ジャングルをスペイン語だかに変換した意味らしい。
ジャングルに迷い込んだら最後、色んな動物が攻撃をしかけてくる。
中毒性あるトラックが武器のEVIS BEATS本領発揮の今作はトラックが本当にド・HIPHOP。
また、このグループの素晴らしいところはB-BOYということである。トピック、言葉選び、バイブスがHIPHOP。このアルバムはB-BOYが作ったB-BOYアンセムが沢山詰まっている。茂千代のラインを一小節聞くだけでもB-BOY的カリスマ性を感じる。
しかし、超ハーコー集団というわけでもなく、またNITROをはじめとするモロ・カリスマな集合体でもない。歌詞からはB-BOY脳と一般脳両方のIQの高さが感じられるし、MCバトルなどの受賞歴が証明するようにビート対応能力の圧倒的な高さ、フローの多彩さ、頭を使い言葉でねじ伏せる説得力、アイロニー、そして、日本語でラップすることの楽しさが詰まりに詰まっている。
このアルバムは何回も聞くたびに味が出て、また飽きさせないメンツである。
間違いなく『日本』の音楽のクラシックアルバム。
MC
SATUSSY
ERONE
HIDA
遊戯
AKIRA
OHYA
MINT.
DJ
MENTOL
KITADA KEN
KAN
EVIS BEATS(AKIRA)
Featuring
茂千代
MEG
Ryu-jya
パンチライン集&プチ解説
韻踏と言ったらまずはパンチライン。もはやこれ抜きでは語れない!喰らえ大阪名物パチパチパンチ!!!
① ジャンガル/韻踏合組合
『森の木々の小枝から耳の肥えた方へ唄う。高音域の声だから、ある種カナリア』
という超絶パンチラインを放つOHYAの歌詞の世界観で圧倒する一曲目。
アルバム初っ端からエビスビーツの中毒性あるビートに特色ある5匹の動物が乗っかる表題曲。歌詞を見ると表題曲の通りテーマが明確に悟れる。AKIRAの世相を厳しく皮肉る歌詞も彼の良いところ。HIDAはハナから駆彼らしさ満載の歌詞を。
BLASTでも評価された接続語なしでの9文字韻を見せ付けるSATUSSYも括弧よい。
②Wakin’Big/SATUSSY,遊戯
『BADTRIPなしでハットトリック決める服部半蔵ただいま参上』
アルバム全体を通しての組合長SATUSSYのラインにベテラン臭が感じられ、味が漂う。この感覚にまず驚き+踏むのだけど、それを軽く流すようなフローに乗せるってのがこの曲で顕著な気が。ここでもビートはエビス。遊戯とSATUSSYの組み合わせもレアかと。
③ お熱いのがお好き/NOTABLE MC+MINT
『わたしはこの間からちょい便秘気味ってヤツは検査する着替えろ全員ビキニ』
お祭り加減が感じられるこれまたエビスビーツpro。韻踏の中でも特にクセがある3人が揃い踏み。歌詞的にはHIPHOPの定番メタファーである女をピックアップ。ミンちゃんの歌詞のオモシロさ、AKIRAのふざけ感も溜まらない。上のラインも踏み外しがあるんだけど、兎に角この一行から伝わってくる『関西ダシ』が素晴らしい。
④ 俺らと夜中 HEAD BANGERZ feat.茂千代
『北大阪から来た王様』
まさに王様、茂千代。
声がまずカッコいい。
そして背景に悪さ漂うこの3人。フィクサーとでも言っておこうか。B-BOY度指数がかなり高めなラインオンパレードな茂千代。韻を踏みまくるHIDA。(HIDA加減がこれまた表題曲並に凄い)イントロでの『左右に揺れて刺激を、HIDAに遊戯&茂千代』の時点でライムチャンピオンシップ優勝な遊戯。アルバムの中でもダントツのカッコよさを見せ付ける曲。アルバム前半の盛り上がりどころ。
⑤ AFTER 5 /韻踏合組合
『護身用の銃でもこの五十音のつまったマガジンにあいうえお』
アルバム曲の中できわめて少ない、ストーリー展開していく歌詞。
ここでは昼に起きてからクラブに行く流れなんだが、5人の歌詞がそれぞれ続いていて気持ちいい。OHYAのフローもゆるく、この人のビート対応力の高さが感じられる。4,5曲目はプロデュースがメントル。メントルはこれまたバウンスさせてくれる。
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⑥O.N.Y.K/MINT feat.MEG
『あんたが下げてるダサいペンダント質屋で売ったら何円なんの?「光沢」って漢字はこう書くよbaby,欲しいもん全部買うたるよ』
ミンちゃん節が炸裂のソロ曲。
兎に角歌詞が面白すぎ…『イヂれる』や『s.e.x』などモロ出てくる単語にミンちゃんらしさを感じる。アルバムの中でもミンちゃんの歌詞はストーリー仕立てで面白い。あと、このアルバムではミンちゃんのラップに覇気が感じられないです。(良い意味で。例;50CENT)
⑦ What’s the Numba?/韻踏合組合
『一小節目で一生説明 二小節目で実証済みです。あとは己の微調節です』
『高野豆腐で例えるなら水に戻す前 後先見ずにもっとスマイル!もっとスマイル!がモットーのスタイル』
題名から分かるように『ナンバー』がテーマの曲。おのおの何らかの数字を歌詞中に出し、それを説明というスタイル。ちなみに大阪の『難波』にもかかっている。
なんだけど、ミンちゃんだけ歌詞がまったく関係ないのが最高すぎる……
また、マイクロフォン病で入院中のERONEがアルバム中この曲だけ参加している。
AKIRAの比喩表現センスがばっちり光っています。
⑧ 笑う骨/OHYA
『いっくらビジネス言うても黒人の真似ばっかりはあかんで。ただでさえ日本人舐められてんのに。ワナビーBLACKについて意見、俺はついていけん』
『踏んで気持ちええ韻と健康道具』
事実、この曲による激しい『ドーベルマンインク』へのDISがメンバー減少化に通ずると言っても過言ではない気がする。OHYAソロのこの曲ではまず、自分の自己紹介をしたところで3バース目で強烈なDISを。OHYAのやりたい放題な一曲。
⑨ BAHHHHN!!/CHIEF ROKKA feat.HIDA,OHYA
『トモゲンはダチ このゲームは勝ち リゲインはドリンク カイゲンはドラッグ』
この曲からアルバム後半の怒涛の猛攻撃開始。韻を銃のように撃っていくという表現が正しいだろうか。ズバズバズバ!SATUSSYがラバダブバイブス全快で早めフローでまくしたてれば、HIDAは上のラインにもあるように、HIDA流義をここぞとばかりに魅せつけ、ドーベルマンインクへのアイロニーとでも言うべきか。
OHYAが流れるフローで唄う。また、歌詞カードを見れば分かるが、OHYAの句読点や鍵括弧の使い方がユーモラス。
⑩ ヘッドギア/HEAD BANGERZ
『地下が現場の方が力出んだ、しけた行動しポリコにしかられんな』
アルバム後半内での猛攻撃第二幕。ヘッドバンガーのこの曲は(特にジャンガル内でのヘッバンは)盛り上げ方が非常に上手いんだろうと感じる。タイプの違うMCながら、何か根底に黒さが光るという意味では同じタイプのMCという気もする。リリックからここまでユーモラスで黒さ、目に表れない不良さを感じ取らせてくれるのは流石。文句なし。
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⑪ GREEN車/韻踏合組合
『俺は吸わんブリった白鳥 これからますます狂ったアクション』
まずはこのアキラのライン。『吸わん』つまり、『吸わない』ってコトなんだが、『スワン』つまり白鳥。このダブルミーニングな歌詞がアキラの素晴らしさの一つだと断言できる。(というか、ノータブルに顕著)題目とおり、テーマもダブルミーニング。実質テーマが二つ存在するこのタイトルで各々が8小節で表しているのが凄い。そしてガン上がるこのフック。まさに後半最大級の盛り上がりどころ。
⑫ 生理的に大好き/MINT
『あぁ、MCとか言う前にオレも一人の男ですから 観覧車は音も出ずただ回り続ける 音も出ずただ』
『頂上でキッスなんてクライマックス超上出来ッスよ』
世間一般的にウケる恋愛の曲で見るありきたりなメッセージよりもこの曲の中毒性あるフック&ひねくれた歌詞の方が何倍も味がある。多分ここでは観覧車の一周を一歳年をとる、ことを表している。なので、途中『ミンちゃんは12週目ならOKです』というロリコンが垣間見られる歌詞がある。ミンちゃん節が炸裂するツイステッドラブ。
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⑬ EVIS SOUND/NOTABLE MC
『うんとトチ狂うように腰振る 正気と狂気のリバーシブル』
アルバムのトリを飾るこの曲。天才的に韻を踏み、妄想ストーリーが加速していくOHYAと相変わらずの上手い表現のAKIRA。エビス御得意の祭りトラックで締め。
しかし、なぜ締めがこの曲なのか謎なトコロではある。
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